健康診断で中性脂肪の値が高いと言われてしまった人は特に中年男性に多いのではないでしょうか。
中性脂肪が多いことは命に関わる病気を引き起こす原因にもなるため、簡単に考えてはいけません。
今日はそんな中性脂肪をファスティングによって減少させることができるかもしれない話をします。
目次
中性脂肪の正体
別名トリグリセリドと呼ばれる血液中を循環する脂肪分子です。
食事をすると、体はエネルギーとして中性脂肪を使用します。
しかし、食べたカロリーが消費カロリーを上回ると、体は余分なカロリーを中性脂肪として蓄えることになります。
中性脂肪の値が高いと、心臓病のリスクが高まるため、中性脂肪を自身でコントロールすることは健康全般を考慮しても大切なのです。
中性脂肪はどこから来るのか?
中性脂肪は、私たちが口にする食物から摂取されます。
植物性食品にも動物性食品にも含まれています。
中性脂肪を含む食品には、バター、チーズ、卵、牛肉、豚肉、羊肉などがあります。
またクッキー、ケーキ、クラッカー、チップスなどの加工食品にも多く含まれています。
中性脂肪が多い人は危険
中性脂肪が原因で起こる病気がいくつかあります。
心臓病、脳卒中、がん、糖尿病などです。
これらの病気が中性脂肪によって引き起こされる理由は、中性脂肪が動脈にプラークを蓄積することにつながるからです。
このプラークは、心臓発作や脳卒中につながる閉塞を引き起こす可能性があります。
また、中性脂肪が蓄積されると、がんが発生する可能性があります。
そして最後に、中性脂肪はインスリン抵抗性を助長し、糖尿病につながる可能性があります。
ファスティングで中性脂肪を減らせるのか?
答えは限りなくYESです。
ファスティングを行うと、新たに入ってくるエネルギー源がなくなり、体内に蓄積されたものからエネルギーを生成しなければならなくなります。
この時エネルギー源として使用されるのが脂肪や筋肉となるため、一定間ファスティングを行うことで、緩やかに中性脂肪を減少させていくことが可能になります。
ファスティングの種類
ファスティングは断食とも呼ばれ、言葉の通り食を断つことを意味します。
しかし何日間も断食をするのは体へ負担をかけ、大変危険な行為となります。
そこで、ファスティング初心者の人は「間欠的ファスティング」を行い、中性脂肪を減少させていけるようにしましょう。
間欠的ファスティングとは
間欠的ファスティングとは、食べる期間と断食する期間を周期的に繰り返す食事パターンです。
断食にはさまざまな方法がありますが、最もポピュラーな方法のひとつが、16時間断食し、8時間食事をする「16時間ファスティング」です。
16時間ファスティング
毎日食事をする時間を8時間と決め、他の16時間はファスティング時間として設けましょう。
この16時間ファスティングの利点は、普段の食生活などにそこまで影響をきたさないことです。
8時間の中であれば食事をしていいため、家族や同僚との食事時間もしっかり設けることができます。
オートファジー効果
16時間ファスティングを行うと毎日オートファジー効果と言われる効果が体内で発揮されます。
これは、エネルギーが体内で枯渇した際に筋肉や脂肪を分解して新たなエネルギーを生成する働きを言います。
また、古くなったタンパク質や老廃物を体外に押し出す働きも強くなるため、中性脂肪を減らすだけでなく、デトックスの効果も期待することができます。
体がデトックスされると全体の血行が良くなり、病気の予防として効果的です。
ファスティングの効果
ある研究では肥満の男性を対象に、ファスティングが中性脂肪に及ぼす影響を調べました。
この研究では食習慣を変えない対照群と、8週間ファスティングを続ける実験群の2つに分けられました。
8週間後、実験グループの男性は、対照グループの男性に比べて、トリグリセリドレベル(中性脂肪量)が低くなっていました。
別の研究でも、肥満の女性で同様の結果が得られています。
この研究では、女性を3つのグループに分け、1つのグループは低カロリー食、1つのグループは低炭水化物食、1つのグループはファスティングのスケジュールを実行しました。
8週間後、3つのグループすべてにトリグリセリド値の改善が見られましたが、ファスティンググループの女性たちが最もトリグリセリド値を下げました。
まとめ
中性脂肪をファスティングによって減少させられる可能性がある、という話をしてきました。
冒頭でも記載した通り、中性脂肪は放っておくと大変な病気を引き起こしかねません。
健康診断で中性脂肪の値がひっかかってしまった人は、是非一度ファスティングにトライすることを検討してみてください。
短期間での結果を期待するのではなく、長期的に継続をしていき、緩やかに起こる結果を期待しましょう。
既に持病等を抱えている人は、事前に医師等に実施の可否を相談するようにしてください。
症状を悪化させてしまう恐れもあるため、必ず医師の指示に従うようにしましょう。