基礎知識

ファスティングとは?その歴史や効能の基礎知識について解説!

断食(ファスティング)は、近年注目度が高まっているヘルス&フィットネスのトレンドです。減量、健康増進、生活習慣の見直しなどの目的で、世界中の人々が実践しています。

ファスティングに期待される効果としては、腸内の炎症を抑えたり、認知機能を向上させたりといった身体的な機能レベルの向上に加え、不安を軽減させるといった心理的な改善、そして同時にこれまで以上に健康的で長生きできるようになるなど、自身の健康にとって多くのメリットをもたらせてくれることがわかっています。

ファスティングの歴史

断食(ファスティング)は、大袈裟に言えば人類の進化の過程で実践されてきたものと言えます。昔の狩猟採集民族は、スーパーマーケットも冷蔵庫もなく、一年中食べ物が手に入るわけではありませんでした。時には、食べるものが見つからないこともありました。

そんな環境の中でも生命維持をするための食事法や調理法、効果的な食べ方などを人類は発見した訳であります。それら培われてきた知識が今日の我々の食事や営業学を支えていると言っても過言ではないでしょう。生命維持のために必要なものを満たすだけでなく、栄養価やどのようなものが何カロリー含まれているかという情報を少しずつ情報として可視化できるようになり、どの食事をすべきなのかといったこともわかるようになってきました。

古代の人々は意図的に断食(ファスティング)を行っていた訳ではありませんが、結果として断食(ファスティング)を実践していることと同様の環境で生活をしながらも、脈々と生命維持を行ってきたと言えます。

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ファスティングのやり方

断食(ファスティング)にはいくつかの方法がありますが、いずれも1日または1週間を食事と断食の期間に分けるものです。

基本断食(ファスティング)期間中は、食事をほとんど取らないか、全く取らないようにすることが原則です。ここでは最もベーシックな方法を説明します。

16/8方式

朝食を抜き、1日の食事時間を午後1時から9時までの8時間に制限し、その間に16時間断食する方法です。食事を行う8時間の間は基本的には何を食べてもOKです。カロリー制限や糖質制限といったものはありません。

ただし、ダイエット目的で断食(ファスティング)を行う人の場合は、カロリー計算を少なからずした方がよいでしょう。

理由は、ダイエットの原理原則がアンダーカロリー(摂取カロリーが消費カロリーを下回ること)だからです。

1日ファスティング

週に1~2回、夕食から翌日の夕食まで食べないなど、24時間の断食を行う方法です。

1日のみの断食(ファスティング)となるため、比較的簡単に誰でも始められる方法と言えます。

また1日だけの断食(ファスティング)となるため、会食などのお付き合いがある人にも実践がしやすい方法でしょう。

5:2ダイエット

1週間のうち、連続しない2日間だけ500~600キロカロリーを摂取し、残りの5日間は普通に食事をする方法です。カロリー制限が含まれる方法ではありますが、食事制限を行う2日以外は普通の食事をすることができます。

上記3つの方法に共通して言えることは、摂取カロリーを減らし、食事制限の期間に食べる量を増やさない限り、どの方法でも体重を減らすことができると言うことです。

断食(ファスティング)をダイエット目的で行う場合、原理原則はアンダーカロリーであり、その状況を断食(ファスティング)が生み出す効果的な方法であることがご理解頂けると思います。

また多くの人は、16/8法が最もシンプルで継続しやすい方法だと考えおり、現在最も人気の断食(ファスティング)方法と言えます。

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ファスティング中に食べていい食事とは

基本的には普通の食事をしても問題はありません。しかしそこはやはりダイエット目的であるならば、高カロリーのジャンクフードやおやつは控えるようにしましょう。そんなことをしたら痩せなくなる所から太る可能性も高まります。

果物や野菜、低脂肪のタンパク質が豊富な食事が健康の鍵であることは、専門家も認めています。同時に、玄米やキヌアなどの全粒穀物、ほうれん草などの葉物野菜(ビタミンAやEが豊富)、アボカドトーストなどのヘルシーな脂肪を昼休みに食べることも勧められています。

バランスの取れた食事は満腹感を長く持続させるので、断食中だからと言って何も食べないという方法を取るのではなく、16時間断食(ファスティング)であるならば食事を取る8時間の間にバランスの取れた食事を取るようにしましょう。しっかり食べることにより満腹感を得ることができ、断食(ファスティング)が継続しやすくなるかと思います。

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ファスティングの効果とは

ファスティングにはさまざまな効果があり、ダイエットや健康上の悩みを管理する方法として、益々人気が高まっています。

断食(ファスティング)を行うことにより、体は蓄積されたエネルギーを分解し、生命維持に必要となる新しい栄養素を生成するようになります。

例えば、細胞レベルで脂肪を燃焼させて2型糖尿病(ケトン体濃度が高いことが特に関係しています)などの肥満の危険因子と戦ったり、血管をきれいにして心血管系疾患から保護したりするなど、断食を行うことにより体内では様々な変化が見られるようになります。

ヒト成長ホルモン(HGH)

成長ホルモンのレベルが上昇します。

脂肪の減少や筋肉の増加など、さまざまな効果をもたらします。

インスリン

インスリン感受性が向上し、インスリンのレベルが劇的に低下します。インスリンレベルが下がると、蓄積された体脂肪がより利用されやすくなります 。

細胞の修復(オートファジー)

断食(ファスティング)をすると、細胞はオートファジー(細胞修復プロセス)を開始します。オートファジーとは、細胞が細胞内に蓄積された古いタンパク質や機能不全のタンパク質を消化・除去することを意味しており、いわば、不要なタンパク質の再生成が体内で起きることになります。このオートファジー効果により、不要な脂肪などがより燃焼されやすい環境へと変化していきます。

遺伝子の発現

長寿や病気に対する防御に関連する遺伝子の働きに変化が見られます。

このようなホルモンレベル、細胞機能、遺伝子発現の変化が、断食(ファスティング)の健康効果につながるのです。

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ダイエット効果

断食(ファスティング)を知り、実際に試す人の目的で最も一般的なのは減量目的ではないでしょうか。

断食によって食事の回数や量を少なくすることで、自動的にカロリー摂取量を減らすことができ、体重減少に繋がると期待できるからです。

断続的な断食は、体重減少を促進するために細胞レベルまで働きかけます。

インスリンを低下させ、成長ホルモンのレベルを上げるほか、脂肪燃焼ホルモンであるノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の分泌を増加させるのです。

こうした細胞への働きかけにより、短期間の断食は代謝率を3.6~14%上昇させる可能性があると言われています。

ある研究によると、間欠的断食は非常に強力な減量方法になることが分かっています。

2014年に行われた研究によると、断食(ファスティング)を間隔を開けて実施した場合、3~4週間で平均3~8%の体重減少をもたらすことが分かっています。

また同じ研究によると、ウエストを4~7%減らし、病気の元とも言える内臓脂肪をも大幅に減少したことを示しています。

2011年の別の研究では、断続的な断食は継続的なカロリー制限よりも筋肉の減少が少ないことが示されました。

これらの研究結果の主な理由は、断続的な断食によって全体的な摂取カロリーを少なくできることにあります。食事期間中に暴飲暴食をして大量に食べてしまうと、体重が全く減らない可能性があることを忘れてはいけません。

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健康面での効果

断続的な断食(ファスティング)については、動物と人間の両方で多くの研究が行われてきました。

これらの研究により、体重コントロールや身体と脳の健康に強力な効果があることが明らかになりました。さらに、長生きできる可能性さえあるのです。

ここでは、断食の主な健康効果をご紹介します。

体重減少

間欠的断食は意識的にカロリー制限をしなくても、体重やお腹の脂肪を減らすことができます。

インスリン数値の正常化

インスリン抵抗性を減らし、血糖値を3~6%、空腹時インスリン値を20~31%下げることができ、2型糖尿病から守ることができるはずです。

心臓

「悪い」LDLコレステロール、血中トリグリセリド、炎症マーカー、血糖値、インスリン抵抗性-すべての心臓病の危険因子を減らすかもしれないと言われています。

動物実験では、断食はがんを予防する可能性があることを示唆しています。

脳の健康

脳内ホルモンBDNFを増加させ、新しい神経細胞の成長を助ける可能性があります。また、アルツハイマー病から保護する可能性もあります。

アンチエイジング

ラットを使用した実験では、断食をしたラットは36-83%長生きしたという研究結果があります。

POINT

これらの研究はまだまだ初期段階であり、研究の多くは小規模、短期間、または動物で行われたものがほとんどです。よって、人間に対しての有効性はまだ確立されていません。

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女性の断食は問題ないのか

結論から言えば、女性よりも男性におすすめの健康法と言えます。もちろん、女性にも様々な効果があることは間違いありません。

2005年の研究では、男性ではインスリン感受性の向上が見られたが、女性では血糖値が悪化したケースもあったようです。

また別の実験では(ヒトでの研究ではない)、断続的な断食がメスのラットを痩せさせ、男性化させ、不妊にし、生理周期を狂わせたことが分かっています。

断食(ファスティング)をやり始めたら月経が止まり、以前の食事パターンに戻したら元に戻ったというケースもあるようです。

上記したケースを見ても、女性は断食に注意する必要があるのかもしれません。

無月経などを抱えている方は、すぐに断食を中止するなど、個人個人の体調や状態を見極めた上で実施するのが望ましいと言えます。

POINT

自身の体調と相談しながら実践しましょう。

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ファスティングで注意すべきこと

断食(ファスティング)を実践すると様々な現象が体内で発生します。

空腹感や脱力感、眠気や頭痛などを経験する可能性もあります。

これらは体が断食に慣れようとする際に出る好転反応が原因であり、これ自体に問題はないものの、ライフスタイルの中で支障をきたすような場合には、一度断食(ファスティング)をやめて、様子を見ながら再開していくことが望ましいでしょう。

特に下記が当てはまる方は注意が必要と言えます。

  • 糖尿病を患っている
  • 血糖値の調節に問題がある
  • 低血圧
  • 薬を服用している
  • 低体重
  • 摂食障害の既往歴がある
  • 妊娠を希望している女性
  • 無月経の既往歴のある女性
  • 妊娠中または授乳中である

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よくある質問

断食に関するよくある質問にお答えします。

1. 断食中に液体を飲んでも良いのか?

はい。水、コーヒー、紅茶、その他ノンカロリーの飲料は大丈夫です。コーヒーに砂糖は入れないでください。少量のミルクやクリームは大丈夫です。

コーヒーは空腹感を和らげるので、断食中には特に効果的です。

2. 朝食を抜くのは不健康ではないのか?

朝食抜きの典型的な例として、不健康な生活をしている人が多いことが問題なのです。一日の中で健康的なものを食べるようにすれば、朝食を抜くこと自体に問題はありません。

3. 断食中にサプリメントを摂取しても良いのか?

問題ありません。ただし、脂溶性ビタミンのように、食事と一緒に摂取した方が効果的なサプリメントもあるため、摂取するサプリメントにも気を使った方がいいでしょう。

4. 断食中に運動してもよいですか?

はい、断食中の運動は問題ありません。ただし普段から激しいトレーニングをしている人は50%くらいの強度に抑えて置くのが賢明です。

5. 断食は筋肉を減少させのではないか?

断食だけに限らず、あらゆるダイエットは筋肉を減少させる可能性があります。そのため、筋肉を落とさず減量したい人は、筋トレをしながら、タンパク質の摂取量を多く保つことが重要です。

しかしある研究では、断続的な断食は通常のカロリー制限よりも筋肉の減少が少ないことが示されています。

6. 断食は代謝を低下させるのではないか?

一概には言えません。

ある研究では、短期間の断食は代謝を高めることが示されています 。

しかし3日以上の長い断食は、代謝を抑制する可能性があることもわかっています。

7. 子供も断食をしていいのか?

成長過程にある未成年には断食(ファスティング)はおすすめできません。体を成長させる段階である年齢のうちは、健康的な食事や睡眠、運動が基本と言えます。

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最後に

如何だったでしょうか。断食(ファスティング)について解説してきました。

ダイエットや健康面にも様々な効果が期待できる断食(ファスティング)ですが、注意しなければならないこともあります。やはり自身の体調や状態を見極めた上で実践していくことが望まれます。

今回は様々な研究の情報も記載しましたが、これらの多くもまだ人への効果を立証しているものではないことをご容赦ください。

ダイエットをして綺麗になりたい!健康になりたい!そんな方々が断食(ファスティング)を通じて成就することを願っております。

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